JIAとは公益社団法人日本建築家協会(The Japan Institute of Architects)の略称です。建築の設計監理を行う建築家の団体として、1987年に結成されました。
詳しくは、日本建築家協会のウェブサイトをご覧ください。
日本建築家協会のウェブサイトはこちら
https://www.jia.or.jp/
日本建築家協会(以下「JIA」)が始めた建築家資格制度について、JIAのウェブサイトを参考にして解説します。
分かりやすく言えば、誰が見ても建築家と判別できるように、建築家のユニフォームを決めようということです。このユニフォームを来ている人は最低限、プロとして通用する建築家であるということを意味します。ただし、同じユニフォームでも、うまい・へたはあります。それは、スポーツ選手がそうであるように観客が判断します。こうすることによってだれが建築家なのかがわかりやすくなり、良い設計かどうかも判断しやすくなるわけです。
JIAは、登録建築家制度の試行を始めます。
建築は私たちに最も身近な生活環境です。美しく、快適、安全、福祉的で、地球環境に余分な負担をかけない建築が望まれます。
そういう建築を設計・監理する人の責任は重大です。そのために、その最低基準を決めようということなのです。 簡単に言えば、必要な素養があり、技術を修得し、倫理を身に付けた人を建築家と認定・登録しようということです。豊かな環境をつくるために、この制度は是非必要です。
欠陥建築問題の急増や日本の街並みの景観的貧しさは、わが国の建築設計者資格制度の不具合に起因している部分が少なくありません。日本の国民がヨーロッパやアメリカの国民並みの建築家サービスを受けられるようにするためにも、現行の一級建築士資格を、国際建築家連合(UIA)が推奨している建築家資格と同等以上にする事が緊急の課題となっています。これらの資格制度を比較すると、幾つかの大事なポイントで不十分な点が明らかになります。
以上の点を改善するのが新しい 「登録建築家制度」です。
JIAが提案している建築家資格制度は最終的には国家制度を目指すものです
現行の建築士法に規定される建築士制度をベースにして資格の認定・登録・変更の仕組みをつくります。
試行した結果を踏まえ、日本建築士会連合会、各建築士会と連携の上、制度全体をUIA基準と同等な建築家資格制度にしていきます。
第2段階を踏まえ、他団体と共に建築家資格制度を国家資格制度にする運動を展開し、建築士法を改正して、これを実現します。
JIAは<建築家の職能理念>に基づいて、建築家の資質向上及びその業務の進歩改善をはかることにより、建築物の向上及び建築文化の創造に貢献し、もって公共の福祉に寄与することを目的として設立された。専ら設計監理業務を行う個人で構成され、会員数は4,700名を擁している。
わが国で建築の設計・監理を行うためには「建築士」資格が必要です。わが国の建築士のうち本当に建築の設計・監理をしているのは、2割程度。残りは構造や設備の設計、工事現場や公務員、教育に従事したりしています。一級建築士だからといって全ての人が設計・監理を実務としている訳ではないのです。消費者にとって、一級建築士の中から設計・監理ができる人を見分けることは困難です。誰が建築家なのかを社会に対してはっきりと表示し消費者が設計の専門家に安心して仕事を任せられるようにするための仕組みとして「建築家」資格制度が必要なのです。
登録建築家制度では、第三者性のある認定評議会で実績又は実務訓練により設計・監理の能力があると認定された建築家に「登録建築家」の名称を与え、その人の情報を公開し、社会に向けて建築家の能力を表示します。又、登録建築家には継続教育を受けることを義務づけられ、三年毎の更新審査に合格しないと登録更新ができない仕組みとしています。
建築家は依頼主に対して安全で快適な良質の建物を提供する責任を負うのは当然のこととして、周辺地域の安全性向上やより良い景観づくりを心がける社会的な責任があります。又、建設過程から使用開始後の、自然環境に対する負荷を極力減らすと共に、耐久性の高い建築物を設計する責任があります。
建築家資格制度は、建築士法では対応できない点を補うために、依頼主が安心して仕事を依頼できる建築家を選び、その建築家の情報を公開しようとする試みです。審査の上認定された登録建築家は全員、十分な実績と高い倫理性を備えています。そして本人の経歴や得意分野は、JIAウェブサイトの登録建築家ポートフォリオで確認することができます。欠陥建築が生まれないためには、依頼主がこれらの情報に基づいて正しく建築家を選ぶことが必要です。
日本社会の経済優先主義や、都市計画における私権優先など、様々な問題が絡み合っていますが、戦後の建築教育や建築士資格試験があまりにも技術偏重だったため、美しさに敏感でない多くの設計者を生み出してしまったことも、責任の一端があります。建築家は美的感覚を備え、倫理観を持った人でなければなりませんし、景観に対して責任ある立場であることを自覚する必要があります。
「建物を建てる」という行為は、大きく2つのプロセスに分かれます。「設計」と「工事」です。建築家は「設計」という行為を通じて依頼主の求める機能を美しいフォルムの中に実現します。設計が終わり工事が始まると「監理」という重要な仕事があります。これは定められた工期と工事費で、設計図通り建物がつくられているかをチェックする仕事です。
手抜き工事などが行われないよう、依頼主に代わりプロの目で厳しく監視します。
建築物を設計するにあたっては、まず依頼主の要望を良く聞く必要があります。その上で計画敷地を調査し、周辺の地域環境を読み込みます。建物の規模や用途によっては、構造や設備などの専門技術者の協力を得ながら、予算を念頭に計画を進めます、基本設計から実施設計へと設計を煮詰め、工事発注に必要な設計図書を作成します。適正な施工者の選定から、工事期間中の監理とその後のメンテナンス・改修計画まで、多くの専門家の協力のもとに進めます。
わが国では、建築士資格を持たない人は建築の設計をすることができませんが、一級建築士でも、構造や設備を専門としている人もいますし、更新制度がないために最新の情報に基づく設計ができない人もいます。JIA登録建築家は、一級建築士を要件にして、十分な実績と高い倫理性を持つ人のみに与えられ、職能研修が義務付けられていますので、安心して設計監理を任せることができます。 この制度は消費者が建築家をまちがいなく選ぶために建築家の能力を社会に対して表示する制度なのです。
日本建築家協会(JIA)は、建築家資格制度を立ち上げ建築を目指す若い人たちが、建築家になるための実務訓練プログラムをつくりました。JIAのウェブサイトを参考にして実務訓練について簡単に解説します。
建築家の国際的職能団体である国際建築家連合(UIA)※1が定めた「建築実務におけるプロフェッショナルリズムの国際推奨基準に関するUIA協定」に、建築家資格の基準が明記されています。※2この基準と比較したとき、わが国の「建築士」資格は、幾つかの点で国際水準に達していません。
国民が諸外国の国民と同等レベルの建築設計サービスを受ける権利を守らなければならないと考えます。このことは同時に、日本の建築家は諸外国の建築家と同様に海外で自由に業務を行える環境を作ることでもあります
その方法として「教育」「実務訓練」「能力の証明(試験等)」「継続教育(継続職能開発)」の項目があります。
JIAは、その中でも「実務訓練」が、日本の「建築士制度」において不十分と認識しています。職能団体として、国際基準の実務訓練制度を作り、これによって国際基準の「建築家」資格制度を成立することを目指しています。
登録建築家である指導監督者の下、建築家に求められる実務能力をオンザジョブトレーニング(OJT)で、もれなく経験することにより証明するものです。
定められた業務を通じて、履修科目に記述された分野の能力を身に付けることにより、効果的な職場教育になるものであると理解ください。皆さんにとっても自分が建築家になるため、どのような能力が必要で、そのために何をしなければならないかを自覚し、人生における自らのキャリアを創る大変心強い手引きになると信じています。
このプログラムを3年で終える人もいれば、数年かかる人もいるでしょう。しかしこれはその長短を競うものではありません。
建築家実務訓練ノートはこちら
実務訓練は建築家になるために行なうものです。
ただ訓練をするだけでなく、それを記録として残し建築家としての能力の証拠とするのです。なぜ、そうすることが必要なのか、今までの日本の現状を振り返って見ましょう。
日本において、建築家になることについて考えてみます。
大学において建築の専門教育を受け、設計事務所に勤めて設計や現場監理を経験した人間が、一体いつの時点で建築家になるのでしょうか?一級建築士の資格を取得した時でしょうか?ひとつのプロジェクトを基本設計から現場監理まで担当し竣工させた時でしょうか?設計事務所を辞めて独立した時でしょうか?自分で建築家であると言い切った時でしょうか?
建築家になったと思う時は、人それぞれ違うでしょう。しかし、そんなアバウトなことで良いのでしょうか?建築家になった時がいつなのか、はっきり言えないようなことでは、一般社会の人たちから見て非常に分かりにくい人種、職能になってしまうのではないでしょうか?
どんな有名な建築家でも、華々しく国際的に活躍している建築家でも、初めてクライアントから自分自身に設計の依頼を受ける時があったはずです。それまでは、組織におけるスタッフとして、充分設計監理の経験を積んでいたとしても、自分に依頼を受けていたわけではありません。ところが建築家である限り、初めて自分自身に設計の依頼を受ける日が必ずやってくるのです。その時、あなたならクライアントに対して、自分が建築家であることをどのようにして証明するのが良いと思いますか?悲しいことに日本においては、それを証明する方法が確立していないのです。今、建築家として仕事をしている人たちは、それを証明する術を持たず、ある意味でそれをごまかして来たのかも知れません。
日本以外の多くの国では、建築家が持つべき能力をきちんと法律で決めています。能力を満たすように努力をしてそれを獲得し、法律上建築家の資格を有すると認められた者は、社会に対してその能力を証明することができるのです。日本においては一級建築士の資格があるから、それで大丈夫という人もいます。しかし一級建築士の免許証を開示しても、建築家であることを証明できません。一級建築士の免許証を持っている人でも、設計監理できない人がたくさん存在することからも、それは明白なことです。
国際建築家連合(UIA)は建築家であるための能力を証明する方法として、「専門教育」「実務訓練」「資格審査及び登録」「継続教育」の4つの項目を設定しています。これらの項目を満たしていることを客観的に証明することにより建築家の資格を定義しています。これらの項目の中でも、「実務訓練」は最も重要です。実務訓練を終了することにより、建築家として必要な履修項目をバランスよく取得することができ、建築家としての能力を客観的に証明できるのです。これからの日本において、一般社会の人たちにとって分かりやすい建築家を生み出すためには、この実務訓練が大変重要なシステムであるということをご理解ください。
実務訓練プログラムが記載されている建築家実務訓練ノートの抜粋(8ページ)を、PDFでご覧いただけます。
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